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プロローグ
ある静かな森の中で突如眩い光が発生した。
その光の中に人影が徐々に現る、容姿からして女性であろう。
人影が完全に形成されると、光は嘘のように消滅し人影だけが残る。
その影は重力に引き寄せられてボスンと地面に叩きつけられた。
「いたーい、……一体何が起きたのよ」
起き上がるや否やそう呟く。年齢は16~7歳位だろうか腰まで伸びた銀色の髪に白い肌、
ルビーのような輝きを持つ紅い瞳。恐らく日本人ではないであろう。
女性は服を手で軽く掃うと一通り辺りを見渡す。
「アインツベルンの森じゃない……此処、一体何処よ……」
そして女性「イリヤスフィール・フォン・アインツベルン」は深いため息をついた。
話はイリヤが森に現れる数刻前に遡る
聖杯戦争が終結してからイリヤはアインツベルンに帰るはずであったが、
イリヤは家族と一緒にいる為にそれを拒否して冬木に残る事を決意した。
しかし、ホムンクルスであり聖杯でもあるイリヤはそのままでは後1~2年しか生きられない。
そこで、封印指定の人形師蒼崎橙子作の人形の体を購入してイリヤの魂を移し変えた。
思いのほかに事が早くすんだのは橙子氏が切嗣と知り合いだったかららしい。
無論それなりの対価(主に金)は支払った。
そして、士郎が高校を卒業した頃イリヤはある決意をする。
それは、士郎の旅に同行すると言うことだった。一番の理想は士郎を旅に出させない事だが
恐らくそれは無理だろう。ならば士郎をアーチャーの様にしない為に、旅に付いて行く。
傍にいて士郎を一人の姉として助けるために……無論士郎は反対したが、イリヤの
決意は固く遂には士郎の方が折れて旅について行くことを許可した。
そして現在はイリヤの提案で約半年と3ヶ月ぶりに衛宮邸に士郎と共に帰ってきている。
桜と大河は笑顔で二人を向かい入れた。凛は今ロンドンにいるらしい。
そして、その後は四人で夕食を食べて、今はそれぞれが自由行動をしているところであった。
「あれ、シロウは?」
食後のお茶を楽しんでいたイリヤがふと先ほどまでいた士郎の姿がない事に気がついた。
一応今後の方針でも決めておこうかなと思ったのだが……
「先輩なら確か蔵に行って来るって言っていましたよ」
「そう、ありがとうサクラ」
食器を洗いながら答える桜に礼を言うとイリヤは蔵に向かって歩き出した。
「シロウ~~、話が……ってあれ?」
桜に言われた通り、蔵に向かったイリヤであったが蔵の中には肝心の士郎の姿が何処にもなかった。
「ん~~おかしいわね?」
首を傾げるイリヤ。誰もいないのだが、蔵の明かりは付いているし何より士郎の魔力の跡がある、それも新しい。
どうやら先ほどまで此処にいたのは間違いないようだが。
「うーん、ここにいないのなら道場かしら?」
そう思い、踵を返そうとしたイリヤの視界が偶然不自然な何かを捕らえた。
「……珠?」
蔵にこんな物あったかしら? と不思議に思いながらその珠を確かめようとした瞬間
「……!!」
突然前触れも無く珠を中心に蔵の中を閃光がイリヤもろとも包んだ。
そして数秒が経過すると光が収まる、しかし蔵の中にイリヤの姿は無かった。
そして話は冒頭に戻る
「取り合えず状況確認っと」
とりあえず服に付いた砂などを丁寧に掃い、目を瞑る。
「む~、士郎とのパスが途切れてる……どうして?」
イリヤと士郎は旅をする前にお互いパスを繋げていた。その方が何かと都合が良かったのである。
無論アッチ方面によるものではなく(士郎が頑なに拒否したため)きちんとした魔術儀式によるものだ。
それが完全に途切れているのだ。普段はあまり使わないが今は緊急事態なのでパスを通した念話をしようと思ったのだが。
「それにしても、ここって異常に大気中のマナが多いわね……加えてシロウとの強固に繋いだパスが
完全に途切れているということは……」
そう、ここの森の大気に含まれるマナの濃度が濃いのだ、これ等の状況からイリヤはいくつかの仮説を立てる。
「……確認のためにも、とりあえず森を抜けて人を探そうかしら」
そして、森を抜けたイリヤの目の前に写った光景は赤い業火に包まれている小さな村であった。
「これは……ただ事じゃないわね」
村全体が燃えていることから、ただの火事ではないだろう。とすればあの村は何かに襲われているのか。
家の燃え具合から火がついてからあまり時間が立っていないと推測する。ならばまだ村の生き残りの人
がいるかも知れないし、その人から此処について何か聞けるかもしれない。
そうイリヤは考えるとイヤリング型の魔力殺しを外して魔術回路を起動する。
「……やっぱりシロウと一緒に旅をしていたからかなぁ、私も随分と丸くなったわね。
ま、悪い気はしないけど」
状況が状況なので、イリヤは脚だけを素早く強化すると業火に包まれた村の中に入っていった。
イギリスの山間にある静かで小さな村に父親に憧れる一人の少年がいた。
ただ普通の子供と少し違うところといえば少年「ネギ・スプリングフィールド」
は魔法使いだという事と父親が英雄と呼ばれる偉大な魔法使いだということであろうか?
現時点で使える魔法は少ないものの、魔法が日常である村で少年は生まれたのだ。
危機に陥れば必ず憧れる父親は助けに来てくれると信じ続けている少年。
憧れの父親と会いたいという願いから自らを傷つけるという行為まで行った。
そして、ある日悲劇は起こる。
その日はウェールズの魔法学校に通っている少年の姉が村に帰ってくる日であった。
少年は姉をいつもの様に迎える為にいつもより早く村へと帰ることにした。
何時も通っている湖から離れて自分が暮らして村を目指して走る。
早くお姉ちゃんに会いたくて、早く迎えてあげたくて。
「ネカネお姉ちゃん~!」
丘を登り村を一望できるところにたどり着いたとき……
びゅぉぉぉ!!!
突如この山間では絶対に吹かない様な熱い風が少年の被っている帽子を奪った。
そして目の前の光景に固まる少年。いつもなら此処から平和な小さい村が見えるはずなのに……
少年の目に映ったのは平和な村ではなく、真っ赤な炎によって燃え上がっている村であった。
少年が出かけるまでは何処にでもありそうな村だったのに、今は全ての民家が燃えていた。
「ネカネお姉ちゃんーーー! スタンお爺ちゃんーー! みんなーーー!」
幼いながらも出来るが限りの大きな声をあげながら、少年は家族と村の人を探すために炎に包まれた
村に入っていく。一刻も早く村の誰かに会いたくて、少年は燃えている村の中を必死に走りやがて
町の中央に位置する辺りに複数の人影が見えた。少年は迷うこと無く人影が見える所に走っていく。
「み……みん……な?」
しかし其処にいたのはもはや喋る事も動くこともない石像になった村の大人達であった。
「僕のせいで……僕がピンチになったらなんて思ったからこうなったの? そうすれば……
お父さんが必ず駆けつけてくれるって………思ったから?」
その時後ろの方で物音が聞こえた。その音につられる様に後ろを振り向くすると其処には
五十を軽く超える大小様々な異形の悪魔達が存在していた。
自分の責任だという思いに加え、村の人たちが石化しているというショックに悪魔達から感じる「死」
という絶対的な恐怖を抱えてしまいその場から動くことが出来ない。
動けない少年に向かって体調が約4~5メートルほどある大型の悪魔がゆっくりと近づく。
「お父さん……お父さん」
少年の前に立つとその大きな拳を振り上げ一切の加減も無く少年を叩き潰す為に拳を振り下げた。
本来なら少年はそのまま短い人生を閉じるハズだった。しかし結果的に彼にその未来が訪れる事は無かった。
何故なら少年の体が悪魔の拳に潰されるよりも早く誰かが抱き上げ悪魔から距離を取る事によって拳をかわしたからだ。
少年は恐怖から身を守るように閉じていた目を開き、自分を抱えている存在を見上げる。
初めに目に映ったのは父親の姿ではなく綺麗な銀色の髪、その髪を腰辺りまで伸ばしている。
服は白色で固められておりその上から黒いコートを羽織っている美しい女性だった。
「ふう、危ないところだったわ。貴方大丈夫?」
女性は抱えている少年が自分を見ている事に気が付くとそう声をかけた。
見たところ少年は英国人のようなので使った言語は英語だ。
「怪我は無いみたいね」
「うん、あの……」
貴方は誰? と聞こうとするが女性に遮られる。
「お話は後、今はこの事態の解決が先決よ」
銀髪の女性は少年をゆっくりと降ろすと悪魔達の方を向き身構えた。
~第一話に続く~
6月22日 加筆修正しました。
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